十一月のお念仏の会  第359回

年度が変わり、新年度最初のお念仏の会です。例年ですと前年度の皆勤賞の表彰があるのですが、新コロナウィルスの影響で、半分ほどしか開催することが出来ませんでしたので、残念ながら今回は無しとさせて頂きます。今年度は全回開催できることを願うばかりです。

今日は中国にある昔話を紹介致します。ある兄弟が一頭のロバを引いて家に向かっていました。するとそれをみた村人に「せっかくロバがいるのにどうして乗らないのか」と言われました。そこで、兄がロバの背に乗り、弟がそれを引いて進みました。しばらく行くと、今度は、「年下の弟にロバを引かせるとはずいぶん思いやりがないなあ」と言われました。なるほどと思った兄はロバから降り、弟を乗せて進みました。すると今度は、「年上の兄にロバを引かせるとは礼儀知らずだな」と言われました。これも一理あるなと思い、今度は2人一緒にロバの背に乗って進みました。次に出会った村人に「小さなロバなのにかわいそうじゃないか」と言われました。兄弟は困ってしまい、悩んだすえ、とうとう2人でロバを担いで進みました。そのうち2人はロバの重みで疲れ果て、転んでしまいました。その結果、ロバは死んでしまい、2人も大けがを負いました。

一体なぜこのような結果になってしまったのでしょうか。これには二つの理由が考えられます。それは目的と信念ではないでしょうか。人が行動を起こすとき、まずは明確な目的を持ち、次に、他人の言うことに左右されないしっかりとした信念を持つ事が大切だと思います。

自分は、臨終の最後には必ずお浄土に生まれるのだというはっきりとした目的を持ち、お念仏に励んでいれば、必ずや阿弥陀様がお救い下さる、お浄土に連れて行って下さるという信念を持って生活をする事が大切ではないでしょうか。