十二月のお念仏の会

浄土宗の結婚式は行華(アンゲ)という作法が中心に作られています.この行華の由来を紹介します.
愛する二人がみ仏に捧げた花.それがいつまでもみ仏を供養し続ける.二人の愛が永遠であると示すかのように…
いにしえの昔、インドはパドマ国に、デイーパンカラ(燃灯仏)というみ仏が現れた時です.国中の人が花を捧げようと願いましたが、国中に花が有りません.実は、み仏の功徳を独り占めしようと、王様が買い占めていたのです.
その国の青年メーガ(雲童子)は「み仏に供養して、さとりの道を究めたい」と花を探し続け、ついに花を携えた乙女プラクリテイ(賢者)と出会います.乙女もまた、み仏の教えのもとに、女性としてよりよく行きたいと願っていました.高潔な志を認め合う二人.互いへの敬意は、清らかな愛情となりました.手に手を取った二人は、み仏に7本の花を捧げます.
この二人は、やがて釈迦族の王子シッダルタ、その妻ヤショダラとして生まれ変わり、結ばれたという事です.王子はやがて出家してさとりを開き、お釈迦様となられ、お妃も導かれて、さとりの境地に入ったといいます。
この故事にあやかって、夫婦が互いに仏教徒として敬い合い、永遠の愛情を育むよう、二人でみ仏に花を捧げるのです.