三月のお念仏の会

お焼香の姿  先日テレビで正しい作法、間違った作法という番組をやってました。ちょうどお焼香についての場面でした。三人の回答者がそれぞれ思い思いのやり方でお焼香をし、審査の先生がその形を見て、正しいか間違いかを判定する番組でした。一人目はお香をつまんでそのままパラパラと火の上に蒔きました。二人目はどのようにしたか忘れてしまいました。三人目はお香をつまんだ手を返して鼻の所に持ってきて匂いを嗅いでからお香を焚きました。判定結果は一人目が正しくて三人目は間違いでした。三人目の間違いの根拠は、お香を上に向けたから。即ち手のひらを返したからだそうです。手のひらを返すという言葉はよく悪い事に引用されます。しかし広辞苑には瞬く間に変わる様と記されているように、手のひらを返すという動作自体にはには何ら悪い事はないのです。若しもこの先生の言うようであれば、人は手のひらを返すという動作をしてはいけない事になってしまいます。日本の伝統的な茶道とか華道は、正に和の美しさとか厳かさの象徴であるはずなのに、それを忘れ、自らの単なる思いつきと偏見で、さもそうであるかのように断言する事はどうかと思われます。お焼香というのはまずは心をこめてする。次に有り難いものを薫じるのであるから、左手を添えて頂いてからくべます。お焼香の回数は、佛教は奇数が基本なので一回か三回。自分の後ろに大勢の人が並んでいれば一回、すいていれば丁寧に三回すれば良いと思います。佛教の考え方とは特殊な事をのぞいて、すべてが丸く収まるようにする事なのです。