十月のお念仏の会

これはアメリカの例です.ある青年が無謀運転をして、誤って橋の欄干を突き破り川に落ちて死亡しました.すると両親は市当局を相手取って『もっと頑丈な欄干であれば、息子は怪我だけで済み、死ぬ事は無かったはずである.こんな粗末な欄干のまま放置してきた市の管理責任は重い』と訴訟を起こしました.一方これは日本の例です.同じような事故を起こした息子の両親は、『私どもの息子が無謀運転をして大事な公共施設を壊してしまい、まことに申し訳ありませんでした』と役所に謝りにきました.お役所は『あの橋は大分老朽化が進んでいるのでちかじか造り直す予定がありますので、気になさらないで下さい』と答えました.しばらくしてからこの両親が再度役所を訪れ、このお金を工事の足しにして下さいと、現金を持ってきたという事です.この二つの話を聞いて、日本人とアメエリカ人の気質の違いがはっきり分かります.日本人は本当に謙虚で控えめな心を持っています.それと似たような事で、多くの日本人はあまり出しゃばらない.我が我がと我をとおす事が少ない.我を張る事は争いのもとである.自分をできるだけ抑える事が人間関係を平穏に保つ道であり、そうする事のよって自らも平穏な気持ちになれるのです.無我の境地になれたら最高です.