七月のお念仏の会

お施餓鬼とお盆
 施餓鬼会とは、餓鬼道に堕ちて苦しむ餓鬼に飲み物や食べ物を施し、供養することです.この由来は「救抜焔口餓鬼陀羅尼経」に書かれています.或る日、お釈迦様のお弟子の一人である阿難尊者の前に、恐ろしい姿をした餓鬼が現れ、”お前は三日後に死に、死後は餓鬼の世界に堕ちる” と告げられました.驚いた阿難尊者はお釈迦様に相談したところ、餓鬼に飲食を施し、供養するように言われました.それを実行した結果、餓鬼は極楽に生まれ変わり、阿難尊者も命を延ばすことが出来たということです.
お盆とは、飲食を施すことは施餓鬼会と同じですが、その由来が少し違います.「盂蘭盆経」に、神通力に勝れた目連尊者が亡くなった母親がどんな生活をしているか神通力を使ってのぞいてみました.するとそこには餓鬼道に堕ちて苦しんでいる母親の姿が映し出されました.驚いた目連尊者はお釈迦様に相談しました.”夏安居(大勢の僧が三ヶ月にわたって行う夏の修行)を終えた僧侶にたくさんの飲食をさし上げて供養しなさい。そうすればその功徳によって、母親をはじめ、餓鬼道に堕ちている祖先もその苦しみから救われるのです”と。どちらも、餓鬼道に堕ちてもがき苦しんでいる人に救いの手を差しのべる大切な法要です.こうした功徳を積むことによって、自らも幸せになれるのです.
 地球の上でも、極楽のような生活をしている我々日本人のような人間もいれば、餓鬼道のような生活に苦しんでいるアフリカ等の発展途上国の人もいます.同じ地球に住む同じ人間です.援助の手を差し伸べましょう.そうすることによって、人としてこの上ないプレゼントが戴けるはずです.大きく豊かな心になるという.