十二月のお念仏の会

今月は”信仰心”についてお話しします.
信仰心とは二つの事が考えられます.
一、いざという時の心の依りどころ
 人間は日頃からいざという時の為に様々な対策を講じております.例えば、地震に対しては免震構造、耐震構造の建物に作り替える.火事に対してはスプリンクラーを取り付けたり、不燃材を使って家を建てたりします.津波に対しては高い場所に家を移したり、防波堤をより頑強な作りにしたりします。又、若木を植えた時は添え木をして強い風から木を守ります.日頃からこうした対策を講じているから、いざという時に持ちこたえる事が出来るのです.それでは我々人間の心はどうでしょうか.大きな悲しみ、大きな苦しみに襲われたとき、日頃からこれらの災いに対して何の対策も講じていない人は持ちこたえる事が出来ずに倒れてしまうのです.それでは策を講じるとはどういう事かと言うと、それが信仰心を持つという事なのです.我々は浄土宗ですから、阿弥陀様のお救いを信じ、日頃からお念仏に励むのです.そうする事により、いざという時には”阿弥陀様が必ずお救いくださるのだ”という思いが持てる様になる.これが信仰心なのです.

二、自らの心をより仏様に近づける(自らの人格形成の為の修行)
 これは前薬師寺官主故高田好胤師の言葉です.
  かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、広く、広く、もっと広く.
 
 正にこの思いを目標にしたいものです.