二月のお念仏の会  第301回

私の義母が2月6日にお浄土に旅立ちました.1月13日に脳梗塞で倒れ、意識も戻らぬまま3週間余りで亡くなりました.母は生前から、何かあった時には余分な事はしないでくれ、単なる延命の為の治療はしないでくれ、尊厳が保たれないような状態になった時は生きていたくないと常々口にしてました.倒れた時の医師の見解は、容態が回復して、意識が戻ったり、口がきける様になる事は奇跡に近いという事でした.そこで出した結論は一切何もしない、即ち点滴もしない、酸素吸入もしないという事でした.尊厳の失われた状態で長く生きる事もなく、夫の待つお浄土に往けた事は母が一番望んでいた事と確信しております.
終末医療というのは大変難しい問題です.生きる事の大切さ、死ぬ事の大切さの両方があるからです.安楽死(これに三つある。1積極的安楽死=致死薬の投与、2消極的安楽死=薬や器具の投与を控える、3間接的安楽死=痛み回避の為に麻薬等を投与)又、安楽死はいくつかの条件が満たされれば認められる.しかし条件が満たされなくても例外として認められる事もある.1堪え難い肉体的苦痛がある、2死期が差し迫っている、3死以外に苦痛の緩和手段がない、4患者本人の文書等による意思表示がある。
又、尊厳死についても非常に難しい問題がたくさんある.とにかく自分が元気なうちに自分の意志を回りに伝えておく事が大切です.