四月のお念仏の会  第314回

桜の季節まっただ中となってまいりました。今仲台寺の境内でも何種類かの桜が咲いています.先日桜の数を数えてみましたら、13種類、19本ありました.これからも我々の目を楽しませてくれる事でしょう.桜が終わると次は牡丹の季節がまいります.またこれもとても楽しみです.                                  3月の下旬にまた一人友人がお浄土に旅立ちました.とても体格のいい健康な方でしたが、気がついた時には肺癌が進行していて、既に手遅れだったそうです.このご住職は誰もが認める”良い人”でした。怒らない、人の悪口を言わない素晴らしい人物でした.私もこの住職に見習って実践してみましたが、とても出来る事ではありませんでた.私はこの友人の事を考えている時、薬師寺の元の管長故高田好胤氏の話を思い出しました.師は般若心経の講義を何百回、何千回としてきましたが、”空”(くうと読みます)の意味を説明している時に、自然と次の言葉が口をついて出てきたそうです.かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、広く、広く、もっと広く.まさに友人の生き方はこの”空”の精神だったのではなかったのか.