二月のお念仏の会   第323回

私は数年前から東南アジア(仏教国のみです)の一人旅をしてますが、今年の元日でちょうど70歳になりましたので、その記念にまだ訪れていない世界遺産を巡る計画を立てました。一月にタイのアユタヤとスコータイに行ってまいりました。三日目に映画”戦場にかける橋”の舞台になったカンチャナブリというところまでの現地のツアーに参加しました。ツアーが終わってバンコクに戻り、大きなスーパーマーケットの前で降ろしてもらいました。買い物を済ませ、レジで代金を払おうと思ったところ、財布が見つかりません。確かにズボンの後ろポケットに入れたはずなのにありません。盗まれたなと思いました。レジで支払いができないので訳を言って全部返品しました。ホテルに戻ればお金はあるのですが、この財布にはカードや鍵が入っていました。とにかくまずはホテルに戻らなければと考え、地下鉄のチケットが買えないので、タクシーを止め、理由を話して一銭もないことを告げたら、快く乗せてくれました。タクシーに乗ってすぐに思いました。”もしかしたらツアー車のシートに後ろポケットから落ちたのではないかな”と。そこでスマホで会社に電話しようと思ったのですが、バッテリー切れでかけられませんでした。そしたら運転手さんが”私がかけてあげましょう”と言って電話してくれました。ツアー会社のスタッフに訳を話しツアー車の中を調べてもらうことになりました。しばらくして財布がありましたとの返事が来ました。”助かった”と。しかし、ご存知の通り、ツアー車の運転手さんというのは会社のスタッフではなく、契約ドライバーなので、すでに遠くに帰った後で、しかも夜は予定があるとのこと。翌日は午前中に仕事が入っているので、昼に会社に届けますとのことでした。ここでまたガックリ、翌日は午前中に次の訪問地のスコータイに飛行機で移動しなければならないからです。そこで、もう一度なんとかしてもらえないか交渉してもらいました。いい返事が戻ってきました。”それでは翌朝早く、仕事に行く前に会社に届けましょう”
本当にラッキーでした。タクシーの運転手さん、旅行会社のスタッフの方、ツアー車の運転手さん、いい人ばかりに恵まれました。まさに微笑みの国そのものでした。”親切””優しさ”これらに心から”感謝”します。