六月のお念仏の会   第338回

亀は万年

これは落語にある話です。ある縁日の露店で、おじさんが亀を売っていました。そこを通りかかった子供に、「坊や、この亀は長生きするよ。昔から、”鶴は千年、亀は万年”と言って、亀は長生きするんだよ」とおじさんは言いました。「そんなに長生きするなら、一匹ちょうだい」と言って買って行きました。次の朝亀は死んでいました。その子は死んだ亀を持って露店に行き、「おじさん、亀は長生きするっていうから昨日買ったけれど、もう死んじゃったよ」と不満げに言いました。おじさんは「きっと昨日が一万年目だったんだよ」と。
人間というのは、ある物事に対して、自分の思いで判断を下す、自分のいいように理解する、自分中心に考えてしまいます。冷静にそして広い角度から見つめなければいけないと思います。