七月のお念仏の会   第339回

ブータンのワンチェク国王夫妻が来日したのが七年前です。当時、爽やかで清々しい国王夫妻自身の人気と”幸福の国ブータン”ということで、日本中に大ブームを巻き起こしました。その後、月日が経ち、今現在のブータンの人々の心持ちはどうなっているでしょうか。携帯電話、スマートフォーン、パソコンなど当時なかったものが次々と普及し、あらゆる面で世界中の国々と自分たちを比較するようになってきました。もともとGDPの低い国(191カ国中、日本は第3位、ブータンは165位)ですから、人々の心は変わっていくのが当然だと思います。当時は1位だった幸福度ランキングは、現在97位まで下がってしまいました。ずいぶん順位を下げましたが、極貧国の中ではかなり上位にランクされていると思います。ちなみに日本は51位です。
日本においても都道府県別の幸福度調査が行われています。1位が福井県、2位が富山県、3位が石川県と北陸3県が上位を占めてます。北陸地方真宗王国と言われておりますが、まさに面目躍如というところです。ではなぜ仏教信仰の厚い地域が幸福度ランキングが高いのでしょうか。そこには、”ありがたい””おかげさまで””もったいない”といった仏教に於ける根本的な考えがあるからではないでしょうか。『足るを知る者は貧しといえども富めり。足るを知らぬ者は富めりといえども貧し』
『足るを知る』ことが幸福への近道ではないでしょうか。
 尚、八月のお念仏の会は例年通りお休みです。