十月のお念仏の回   第341回

共命鳥
阿弥陀経』の中に、体が一つで頭が二つある共命鳥(ぐみょうちょう)という鳥が出てきます。この二頭は日頃から大変仲が悪く、いつも喧嘩ばかりしていました。ある時、一頭が我慢しきれなくなって、もう一頭に毒を盛りました。毒を飲んだ一頭はもがき苦しみ始めました。次の瞬間、毒を盛った方も苦しみ始め、二頭とも死んでしまいました。これは何を表しているかというと、世の中の生きとし生けるものは、共に助け合いながら生きているのであって、決して自分一人の力で生きているのではないということを説いているのです。例えば、自然の力である太陽や雨や風、草や木に至るまで、どれ一つ欠けても、人は生きてゆくことはできないのです。あらゆるもののお陰で生きている、生かされているのです。全てのものに、おかげさまと感謝しながら生きてゆかなければならないのです。